「近代マーケティングの父」フィリップ・コトラーが提唱したオリジナル指標でロイヤルティマーケティングに取り組むことができる“5ALoyalty診断”サービスについての紹介記事です。
デジタル社会の現代におけるロイヤルティマーケティングの必要性、サービスの目的やメリットを全5回にわたってご紹介します。第1回の今回は、現代のマーケティングの変化とサービス概要について解説します。
現代のマーケティングの変化
いま、大きくマーケティングが変わるといわれています。
マーケティングの大きな変化の背景としてデジタルトランスフォーメーション(=DX)が挙げられていますが、もう一つの大きな要因として、世界的な人口減少を忘れてはいけません。
DXにより世の中のコミュニケーションの形態が変化し、マーケティングの母数となる人口減少が進む今日において、最も重要なことはひとりひとりのお客様に寄り添い、そのお客様のロイヤルティを高めていくということです。これを我々はロイヤルティマーケティングと呼んでいます。ロイヤルティマーケティングの考え方は、これまでの戦略的マーケティングが「いかに早くお客様を獲得するか」という戦術、立場に立っていたこととは対照的に、一人ひとりのお客様とのご縁を大切にし、さらにそのお客様がまた別のお客様に広げていただけるような良い循環を作り出す概念です。
つまり、これまでの狩猟型マーケティングと異なり、お客様を育て上げていく農耕型マーケティング呼ぶことができるでしょう。
フィリップ・コトラーが提唱したオリジナル指標「5A(ファイブエー」との出会い
このようなマーケティングをベースとして、トランスコスモス(以下当社)ではお客様の役に立つマーケティングを検討しているさなか、近代マーケティングの父と称されるフィリップ・コトラーの書籍『マーケティング4.0』と出会いました。実務界においてロイヤルティマーケティングの概念が浸透しづらかった頃、この本にはロイヤルティマーケティングの概念がまさしく示されていました。この概念を具体的な数値尺度として測定しお客様に提供したいという思いがあり、当社はコトラーへの連絡を試みました。結果としてたどり着いたのが、『マーケティング3.0~5.0』の共著者である二人、ヘルマワン・カルタジャヤ氏とイワン・セティアワン氏です。
最終的に彼らの所属するインドネシアのMarkplus社と業務提携を行い、当社は日本で唯一、コトラーのオリジナルの尺度によるロイヤルティ(=5Aカスタマージャーニー)をお客様に提供できるようになりました。
この5A(ファイブエー)の指標を用いたサービスとして、当社は“5ALoyalty診断”を提供しております。この“5ALoyalty診断”は大きく3つのモジュールから成っており、以下にご紹介します。
”5ALoyalty診断”の3つのモジュール
1つ目は前述したフィリップ・コトラーのオリジナル尺度による5Aの測定です。しかしながら、この研究を進めていく中で「誰が」ロイヤルティが強いのか弱いのか、「競合と」どちらが強いのか弱いのかが測定しただけでは、ロイヤルティマーケティングの戦略構築が難しいということが判りました。この5Aの尺度をもとにしたロイヤルティマーケティングを実施するにあたり、必要十分な情報を得るために、2つ目、3つ目のモジュールをその後開発いたしました。
2つ目はMITのグレン・アーバン博士のモジュールを“5ALoyalty診断“サービスに応用・改良したパーセプション診断とよんでいるものです。これはロイヤルティの強い・弱いの背後にある理由を突き止めるための分析です。調査にあたる市場においてどのようなベネフィットが重要で、どのようなベネフィットによって、購入意向やロイヤルユーザーになることに影響が出るのか知るために定量的な分析を行っています。
そして3つ目のモジュールはCX診断とよんでいます。2つ目のパーセプション診断で分かった内容や効果的なメッセージをどのように伝えたらよいのか測定します。DXにより我々企業と生活者は多くの接点を持つようになってきました。その接点のなかのどのメディアを通じてそのメッセージを発信していくことが最も効率がいいのか、定量的に評価するための診断です。
この3つの診断をあわせて“5ALoyalty診断”とよんでいます。すなわちロイヤルティの実態を測定し、それを改善するために伝えるべきメッセージ、そしてその伝達の方法という最低限の3つの要素を提供できます。言葉をかえれば、ロイヤルティマーケティングを本格的にはじめていきたいというお客様に対して必要十分な戦略構築のための情報を提供するサービスとして考えております。
(解説・トランスコスモス株式会社 福島常浩)
”5A Loyalty診断”サービスの紹介 第1回 ロイヤルティマーケティングの戦略構築をはじめるために(本記事)
“5A Loyalty診断”サービスの紹介 第2回 5A診断とは
“5A Loyalty診断”サービスの紹介 第3回 パーセプション診断とは
“5A Loyalty診断”サービスの紹介 第4回 CX診断とは
“5A Loyalty診断”サービスの紹介 第5回 まとめ
福島常浩が御社のマーケティングをディレクションいたします
トランスコスモスでは、フィリップ・コトラーの提唱する5Aコンセプトに沿ってマーケティング戦略提案をいたします。実際のご提案に際しては、当記事の解説者である福島常浩がデジタル時代に最適化したロイヤルティマーケティングをサポート。まずは御社のお悩みをお聞かせください。
トランスコスモス株式会社 上席常務執行役員
公益社団法人日本マーケティング協会 理事
福島常浩
東京工業大学大学院修了後、味の素株式会社に入社。その後、GE Capital、三菱商事、ぐるなび、メディカルデータビジョンを経て、ビッグデータ事業、マーケティング責任者等を歴任。専門分野は、新事業・新製品開発、ブランド論、医療ビジネス、ロイヤルティマーケティング。トランスコスモスではマーケティング関連の事業開発を担当し、書籍 『コトラーのマーケティング4.0』 で紹介された5A診断を日本で独占的に提供している。