SNSがマーケティングの中心となる時代ですが、今後、AIやXRデバイスの発達につれて次世代のメディアやプラットフォームにおけるマーケティングについて、知っていく必要がでてくるでしょう。
今回はそんな次世代の技術の一つ、メタバースにおけるマーケティング活用事例を紹介していきます。
バーチャルマーケットの企業ブース出展
株式会社HIKKYが主催する、仮想空間上でのマーケットイベントです。メタバースプラットフォームであるVRChatをはじめ、スマートフォンからも仮想空間へアクセスすることができます。
仮想空間上でのイベント会場には個人ブースをはじめ、多くの企業や自治体、さらに官公庁もブースを構えています。
各企業は仮想空間上で広告を出稿し、商品やサービスの紹介をするだけでなく、商品の販売も行っています。
中でもアパレルメーカーbeamsは、パラリアル商品と称して、実店舗で販売している衣類の3Dデータを展示し試着できるようにしたり、販売も行いました。
これによりメタバース上で気に入った商品を実店舗に購入しに行くなど、仮想空間での体験が現実世界での体験への入口として利用され、メタバースにおけるマーケティングの成功事例の一つとされています。
REALITY株式会社によるメタバース会社説明会
グリー株式会社の子会社であるREALITY株式会社は会社説明会をメタバースプラットフォームであるcluster上で行っています。社員は全員アバターで登壇し、参加者も実際の姿は見せず、アバターを使用し、VR機器、PC、またはスマートフォンを利用し、仮想空間に入った上で、説明会に参加します。
REALITY株式会社自身もメタバース関連のサービスを提供しています。メタバース上で会社説明会を実施することによって、親和性のある応募者へのリーチを狙うとともに、メタバースを活用する企業であるという印象付けができます。
メタバース関連の企業として、ブランディング効果の高い戦略と言えるでしょう。
SANRIO Virtual Festival
株式会社サンリオがVRChat上で開催したバーチャルイベントです。仮想空間でのライブ開催や無料で観覧可能なバーチャルパレード「Musical Treasure Hunt」などが催されました。
現実世界のテーマパークであれば、移動にかかる時間や旅費などがかかりますし、人気のパレードやライブの観覧であれば、多くの観客がいた場合、間近で見るのが困難な場合もあるでしょう。
しかし、仮想空間上であれば、これらの制約に縛られることがないというメリットがあり、より顧客体験価値を高めることも可能です。
開催側からも現実世界では必須となる土地の確保や混雑対応などがなくなることは大きいメリットになります。
モスバーガーのメタバース店舗
株式会社モスフードサービス(モスバーガー)は2022年9月14日に新商品「月見フォカッチャ」を発売することにちなんで、VRChat上の月面に仮想店舗をオープンしました。
仮想空間内では実際の店舗を忠実に再現しており、キッチンではゲーム感覚でモスバーガーのメニューを作れる等、エンターテイメント性の高い試みとなりました。
また、これにあわせて都内の一部店舗ではVR機材を用意し、実店舗に来店することで仮想店舗にも来店できる体験会を実施し、仮想空間では認知の獲得、実店舗では顧客体験の向上を図ることができました。