オムニチャネルマーケティングとはなにか? 5Aでカスターマージャーニーを作ろう

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オムニチャネルマーケティングとは、顧客が利用するさまざまなチャネルを統合してシームレスで一貫性のある顧客体験を生み出す手法です。
スマートフォンなどのモバイル端末を使って生活している顧客は、接続性と移動性の高まりによってブランドの検討や評価に使う時間を減らし、購買スタイルを変化させています。たとえばインターネット上にある多くのレビューや口コミは、欲しい商品の選択や調査に役立っています。

顧客はチャネルにこだわらず、オンライン・オフライン問わずに頻繁かつ縦横無尽に移動します。 そんな顧客がブランドに期待するのは、切れ目のないシームレスで一貫性のある体験です。パーソナライズされたコンテンツや、簡単な在庫検索など、ストレスの少ない体験を求めています。実店舗型小売企業が自社ECの構築へ、eコマースが実店舗の開拓へ意欲的なのは、こうした顧客の変化に対応するためです。

オムニチャネルマーケティングを実現させるためのポイントとは

オムニチャネルマーケティングをうまく機能させることは、今日のブランドにとってきわめて重要です。ブランドはオンライン・オフラインにおいて得た大量の顧客行動データをもとに、顧客体験の最適化を図っていなかければなりません。

オムニチャネルマーケティング実現のためには、下記のポイントが特に重要です。

①デジタル時代のカスタマージャーニー(5A)が一直線でないこと、5A上で顧客が通過するタッチポイントとチャネルには何通りもの組み合わせがあることを理解する

②自社にとって本当に重要なタッチポイントとチャネルを、オフラインとオンラインともに見極める

③チャネル同士が境界を越えて確実に協働できる体制、組織づくりを行う

※タッチポイント:企業やブランドと消費者のあらゆる接点(チャネルはweb広告やテレビCM、SNSといった顧客との接点に用いられる手段そのもの)

オムニチャネルマーケティングを実現するためのステップ

オムニチャネルマーケティングを一朝一夕にすべて実現することは不可能です。よって、最終的なオムニチャネルマーケティング完成形を実現するために、段階的にステップを踏む必要があります。

自動車メーカーを例にしたカスタマージャーニーとタッチポイント

第1ステップ:カスタマージャーニー全体に、考えられるすべてのタッチポイントとチャネルをマッピングする

タッチポイントは5Aのそれぞれの段階で、顧客の知る、買う、使う、などの実際の行動として表現されます。チャネルはブランドが顧客とインタラクション(互いに影響を及ぼし合うこと)をするために使われる手段です。

実際には1つのタッチポイントが複数のチャネルと結びついていることもあれば、1つのチャネルが様々なタッチポイントにサービスを提供することもあります。このことは、ブランドにとって市場カバー率の上昇につながるため非常に重要であると同時に、オムニチャネルマーケティング戦略をデザインするにあたっての複雑さをもたらします。したがって、ブランドは両者のバランスをうまく取りながら、5A上のあらゆる段階で顧客を誘導するように設計する必要があるといえます。

第2ステップ:最も重要なタッチポイントとチャネルを特定する

顧客はそれぞれ、様々なチャネルで異なる組み合わせのタッチポイントを経験しますが、想定されるシナリオは多岐にわたるため、オムニチャネルマーケティングは複雑なものとなりがちです。

コスト面からもすべてのシナリオに対応しようとするのは現実的ではないため、最も一般的なシナリオに焦点を絞るべきだといえます。たとえばパレート原理を根拠として、考えられるすべてのシナリオの上位20%を、自社にとって最も重要なタッチポイントとチャネルとして定義することが効果的です。
※パレート原理:2割の顧客が8割の売り上げを生み出すとされる、2:8の原理

第3ステップ:最も重要なタッチポイントとチャネルを改善、統合する

最も重要なタッチポイントとチャネルを見つけたら、そこに集中的に資金を投下し、改善を図るべきです。

それにはチャネルを超えた協働が欠かせないため、必要があれば社内の組織構造の見直しも行うべきといえます。部署間の壁を取り除き、目的や目標・予算を全チャネルで統合するのが理想です。たとえそれが不可能な場合でも、チャネルを超えてインセンティブを与えあう仕組みなどを検討してみるとよいでしょう。

このようにして、全体のタッチポイント洗い出しから、その重要度の特定、改善PDCAサイクルを回していくことが大切です。オムニチャネルマーケティングを実現させるために、オンラインチャネルの即時性とオフラインチャネルの親密性を上手に統合させていきましょう。

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