2022年10月6日から8日、アジアマーケティング連盟の総会を兼ねて、World Marketing Forum2が開催されました。
World Marketing Forumは、マーケティングの新しい潮流を、世界各地からアカデミアと実務家が集い意見交換をする場で、今回は2回目です。初回は2021年に鎌倉で開催されましたが、参加者は全てオンラインとなりました。今回はインドネシアのウブドにて完全招待制で実施され、トランスコスモスから福島常浩が参加しました。世界中の著名なマーケターが一堂に会したフォーラムの様子を本記事でお伝えします。
今回のテーマは、Entrepreneurial Marketingで、発音がしにくいですが、あえて訳せば「起業家的マーケティング」といった辺りでしょうか。
これからこのテーマが、世界中で話題となっていきます。
冒頭コトラー教授のメッセージではマーケティングに関する4つのトレンド(「Sustainability(持続性)」「De-growth(脱成長)」「Peace(平和)」「Customer Science(顧客科学)」)が紹介されました。なかでも「De-growth(脱成長)」とは驚きました。De-Growth Marketingとは温暖化問題や戦争などを通じて、これまでの直線的な成長(Linear Economy)の認識を改め、循環的な経済(Circular Economy)の形成を目指すべきだという主張なのです。これまでも拡大路線の弊害として、差別や貧困、環境問題などから競争を前提とする戦略的マーケティングについての見直し諸方面から指摘されてきましたが、成長そのものを否定する考え方は、驚きました。
いろいろな議論が交わされましたが、規模の拡大による売上向上ばかりを闇雲に進めるほうほうから、売上拡大にとらわれずとも営業利益(社会的付加価値)を拡大できると言う考えを、弊社が提携するMarkPlus社のCEOである、Dr. Jucky Musseryが提唱しており共感できました。具体的にはアントレプレニューリアルマーケティングでは混沌とした市場において、いま顧客が求める価値を見出し、現状とその価値のギャップをイノベーションによって補うことで顧客の漠然とした想像をカスタマーエクスペリエンスとして具現化するためのマーケティングである、という主張です。
また中国の老子の教えに、「知足者富」とありますが、フォーラムの中でも東洋思想的な考え方の見直しなどが取り上げられていました。
小さな美術館の中のイベントで、独特のエキゾチックな絵画に囲まれてフォーラムは行われました。
今回のテーマとなった「Entreprenurial Marketing」については今後の記事の中でも注目のキーワードとして取り上げていく予定ですので、最新のマーケティングトレンドとして是非参考にしてみてください。
World Marketing Forum2に参加したトランスコスモス/福島は2022年11月に行われる世界最大規模のマーケティングサミットにも登壇予定です。ぜひご参加ください。
https://www.trans-cosmos.co.jp/company/news/221019.html