MVPと聞いて、プロ野球などで使われるMost Valuable PlayerのMVPを思い浮かべた方は多いのではないでしょうか。マーケティング用語としてのMVPは「実用最小限の商品」と訳されるものです。それでは詳しくみていきましょう。
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MVPとは
MVPとはMinimum Viable Productの頭文字を取った用語です。「Minimum=最小限の、Viabe=実行可能な、Product=製品」のことです。顧客ニーズの変化が激しい現代の市場においては、最小限の機能を持った製品を、いち早く市場へ投入し、いかに顧客ニーズに応えていくかが重要です。そして顧客の声により、それを磨き上げて成長させていきます。
MVPは、顧客を中心に考えた製品開発の方法であり、この考え方はリーンスタートアップ、すなわち最低限のコストと短い期間で仮説検証を繰り返しながら顧客ニーズに応えビジネスを開発する手法のなかでも、重要な要素となっています。
MVPの説明をするのに、よく車の例えが出てきます。顧客は移動手段がほしいのに、企業側は最終的な車をイメージし、タイヤから顧客に与えるのでは顧客の移動というニーズを満たしません。そうではなく、当初はスケボーやキックボードなどからスタートして自転車、バイク、自動車と進化していくのがMVPの考え方です。
MVP活用のメリット
- 膨大な労力を割かなくても、製品が市場に必要か調査できる
- ニーズとウォンツをすばやく把握できる
- 開発チームの時間を最小限に抑える
- 市場に早期に投入することで早く収益化ができる
- 競合よりも先に市場投入し先行者利益を得られる
MVPのメリットは開発初期段階から製品として市場へ投入することができるため、その製品が顧客に求められている製品なのかを確認できることです。この結果を受けて開発を進めるべきかやめるべきか、早い段階で判断が可能となるメリットは大きいといえるでしょう。
MVPは、もともとはシリコンバレーやIT企業で採用される開発手法ですが、最近では国内の大企業でも市場投入をすべきサービスかの確認のために採用されることが多いようです。シンプルな機能の製品をより短期間のうちに市場投入し、製品が顧客ニーズをつかめるのか検証するのに向いています。
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