NFT (Non-Fungible Token,非代替性トークン) は、ブロックチェーン技術に基づいて実現された、一意性のあるデジタル資産を表すトークンです。
NFTに使用されているブロックチェーン技術は、分散型のデータベース技術です。分散型という性質上、記録されたトランザクションやデータは容易に変更できません。この不変性は、NFTの信頼性や保証などのセキュリティ面に活用されています。
またNFTは、ブロックチェーン上にトランザクションとして記録されます。このトランザクションには、NFTに関連する情報(例えば作者情報や作品情報など)が含まれており、NFTの一意性・唯一性を保証することが可能となります。例えば、数量限定のデジタルアート作品のNFTは、高額な価格で売買されることがあります。NFTのブロックチェーンと一意性の技術によって保証された不変性が担保されることによって、価値を生み出しているのです。
ブロックチェーン技術とNFTは密接に関連しており、NFTが正確かつ信頼性の高いデジタル資産を提供することができるのは、ブロックチェーン技術のサポートによるものなのです。
これらの性質から、NFTは様々な分野で活用されています。
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具体事例
アート作品の売買:NFTを使って、デジタルアート作品を売買することができます。これにより、作品のオリジナリティが保証され、所有者が正確に追跡されます。CryptoPunks(クリプトパンクス)というLarva Labs社が発行した10,000枚のユニークなデジタルアート作品がNFTとして売買されています。
ミュージックのライセンス:ミュージシャンやレコード会社は、NFTを使って楽曲のライセンスを売買することができます。これにより、楽曲の使用許諾が正確に追跡され、楽曲制作者が適切に報酬を受け取ることができます。AmPm(アムパム)は、NFTマーケットプレイス「OpenSea」において、2021年3月19日から3月30日までの12日間、未公開楽曲「Intro」NFTをオークション形式で販売するなど、様々な事例が存在します。
コレクション品の管理:コレクターは、NFTを使ってコレクション品を管理することができます。コレクション品のオリジナリティや歴史が保証され、買い手は正確な情報を得ることができます。
スポーツカードのトレーディング:スポーツカードコレクターは、NFTを使ってスポーツカードをトレーディングすることができます。NFTによってカードのオリジナリティが保証され、トレーダーは正確な情報を得ることができます。NBA Top ShotというNFTプラットフォームを使って、バスケットボールカードコレクターがカードをトレーディングするなどの活用がされています。
ビデオゲームアイテムのトレーディング:ビデオゲームプレイヤーは、NFTを使ってゲームアイテムをトレーディングすることができます。スポーツカードと同様にアイテムのオリジナリティが保証され、トレーダーは正確な情報を得ることができます。また、ゲーム開発者はこれらのトレーディングによって新しい収益源を生み出すことができます。Axie Infinityというゲームは、NFTを使ってゲームアイテムをトレーディングすることができます。ゲーム内で生み出される各種アイテムはNFTとして扱われており、トレーディングが可能です。
この他にもNFTに様々な情報を付与することによって電子証明書としての活用もされており、既に様々な分野で利用されています。
NFTにおける課題、問題
現在、NFTには様々な課題や問題が存在しています。セキュリティに直結するものから、一見関係がないように思われるものまで様々な課題が存在し、これらの問題の解決は我々にとって急務と言えるでしょう。
環境問題:一見、関連性のないように思える問題ですが、NFTは分散型データベースの技術を用いているため、大量のコンピュータリソースを必要とします。これにより、環境への負荷が高まるという問題があります。
不正アクセス:ブロックチェーン技術は安全性の高い技術だといわれていますが、不正アクセスに対するセキュリティリスクが全くないわけではありません。今後、他の技術同様にハッキングや不正なトランザクションなどが行われる可能性が考えられます。
高額なトランザクションコスト:NFTは仮想通貨と同様にトランザクションコストが高額になる場合があります。これは、ブロックチェーンに満たないトランザクションが増加するとコストが高まるというメカニズムによるものです。
投資リスク:NFTは投資物として扱われることもありますが、投資リスクも存在します。価格変動や投資先の信頼性など、投資に必要なリスク評価が困難な場合があります。
互換性:NFTは新しい技術であるため、一部の古い技術との互換性の問題があります。例えば、一部のウォレットや取引所がNFTに対応していない場合が想定されます。
これらの課題や問題に対応するため、技術開発や標準化などが進められています。
今後、急速に進化していくと思われるNFT等のWeb3.0における新しい技術や手法を知っておくことは、今後さらに巨大化していくであろう情報化社会において、アドバンテージとなりえることは間違いないでしょう。