ダイナミックプライシングと聞いて、みなさんはどのようなものをイメージしますか。航空会社のチケットやホテルの宿泊料金が繁忙期や閑散期に合わせて変動しているのをご存知な方も多いと思います。このような需給状況に応じて価格が変動する、ダイナミックプライシングについて今回は詳しく見ていきましょう。
ダイナミックプライシング、動的価格設定とは
ダイナミックプライシング(動的価格設定)とは、需給関係に基づき柔軟な価格が設定されるもので、ホテルや航空券などで以前から使われている手法です。
航空券のように繁忙期に価格が高くなるケースをよく見かけますが、映画のチケットのように閑散期に価格が低くなるケースもあります。マーケティングにおいて価格づけは非常に重要な要素ですが、動的に価格が変動するダイナミックプライシングは、どのように企業と顧客に機能するのでしょうか。
ダイナミックプライシングの企業メリット
需要のある時期には価格上乗せによる収益アップ、需要のない時期には価格を抑え利益を確保しながら、在庫の抑制にもつながります。企業にとっては非常にメリットのある価格戦略ですが、統計的な処理やAIによる価格設定システム等の開発が必要になります。メリットと追加コストの双方を加味した投資判断が必要となります。
ダイナミックプライシングの顧客メリット
需要のある時期は価格上昇によるデメリットも生まれますが、需要のない時期の低価格でサービスを受けることができます。企業側の売上の平準化に寄与することになりますが、定価販売が続く場合よりもサービスを使ってみたいと思う顧客が増えるかもしれませんし、サービスを利用したことで良い経験となった場合には、その後価格が変わったときにもサービスを利用してくれる顧客となる可能性もあります。
ダイナミックプライシングの実例
航空会社のチケットやホテルの価格は季節、曜日により価格が異なります。Jリーグのチケットも日程、席種、天候などを元にダイナミックプライシングが導入されています。Uberはタクシー配車サービスですが、ダイナミックプライシングがリアルタイムに実現されている例です。場所、時間、混雑具合をデータによって捉え、需給バランスに応じた価格が設定されます。
最近はサブスクリプションモデルにもダイナミックプライシングの波が押し寄せており、人により契約価格が違うなど、さまざまなシーンでダイナミックプライシングが利用されるようになりました。